8日午後9時ごろ、東京都渋谷区代々木1丁目の焼き肉店「焼肉牛星代々木店」で、刃物のようなものを持った男が男性店長を人質に立てこもった。警視庁は9日午前0時過ぎ、店内に捜査員を突入させ、住所不定、無職の荒木秋冬(あきと)容疑者(28)を逮捕監禁の疑いで現行犯逮捕した。店長にけがはなかった。荒木容疑者は客で、店長と面識はないとみられるという。同庁が動機や経緯を調べている。
捜査1課などによると、荒木容疑者は刃物のようなものを持っており、捜査員に「俺の人生を終わらせてやる」と話していた。店はビルの地下1階に入っており、客やほかのテナントの関係者らは避難。警視庁は店外に出るよう荒木容疑者を説得するとともに、状況の把握を進めていた。
店で直前まで友人と食事をしていた20代女性によると、店内で目立ったトラブルなどはなく、家族連れや1人客でにぎわっていたという。女性は「突然こんな事件が起きて驚いた。何があったのか」と話した。
近くの店にいたという男性会社員(34)は、多くの警察車両が集まっているのを見て事件の発生を知った。現場の店では何度か食事したことがあり、立てこもりと聞いて驚いたという。現場近くで様子を見守っていた男性は、容疑者の身柄確保を知り「良かった。めったにない事件なので、経緯を知りたい」と話した。
10年ほど前から近くに住み、現場前を通勤ルートにしている飲食店従業員の男性(44)は「普段はすごく静かで、これまで住んでいてこんな物騒な事件はなかった。不安なので、どうしてこんなことが起こったのか解明してほしい」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル